(日本語) 注意喚起:血友病診療医の皆様へ


平成31年2月

 
血友病診療医の皆様へ 
 

日本血栓止血学会 理事長 嶋 緑倫
同学術標準化委員会血友病部会長 藤井輝久

 
 
注意喚起:凝固因子製剤は、同月に院内注射(外来)と処方はできません 
 
 
最近、保険診療の上で支払い側(健康保険組合)より、「在宅治療薬の処方と院内注射薬(外来)の同月算定の場合は、院内での注射薬については算定できない」との指摘を受けているといった情報を得ました。
それは、(C101 在宅自己注射指導管理料 2 1以外の場合)に記載されている文言が根拠となっています(PDF参照)。
つまり、以下の例の場合、院内で注射した凝固因子製剤が減額査定される可能性があります。
 
例:外来受診時の診察で関節内出血を診断。院内で凝固因子製剤注射。また同月に在宅自己注射のために製剤を処方した。 
 
製剤によっては、1バイアル数十万円するものもあり、減額査定されると病院の経営上問題となる場合もあると想像されます。 
我々、血友病を多く診療している医師は、日本血栓止血学会学術標準化委員会血友病部会等で情報を共有し、厚労省保険局に対して「血友病は例外」とするよう要望しておりますが、一朝一夕には実現できそうにありません。 
ですから、同月のレセプトに在宅治療薬と院内注射薬の算定が起きないように、全て在宅治療薬として患者さんに受け取ってもらった上で、患者さんへの対応方法を検討していただくようご注意ください。 
具体的には、前述の例の対処法は、1)製剤を処方後在宅で患者が自己注射 2)在宅治療薬を院内処方し、その一部を外来で注射 3)前回処方分をあらかじめ患者が持参し、それを外来で注射 (但し、2)3)では注射料は算定できない)のいずれかになると思われます。 
 
この問題は、数年前から都道府県単位では起きていたようですが、それが全国に拡がりつつあります。 
速やかにかつ適切な対応をおとり頂くようお願い申し上げます。 
 
 

以上

 

*この件に対するお問い合わせは、下記へお願いします
広島大学病院輸血部・血友病診療センター 藤井輝久
teruchan@hiroshima-u.ac.jp

 
在宅治療薬と院内注射薬の同月算定について注意喚起