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用語集(詳細説明)

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経口活性化凝固第X因子阻害薬(Xa阻害薬)
oral FXa inhibitor

解説

【一般名】
 経口活性化凝固第X因子阻害薬(Xa阻害薬)(リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバン)

【適応】
 非弁膜症心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制(リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバン)、静脈血栓塞栓症(深部静脈塞栓症および肺血栓塞栓症)の治療および再発抑制(エドキサバン)。(参照「心房細動と抗凝固療法」「深部静脈血栓症に対する抗凝固療法」)

【禁忌】
共通:薬剤成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

リバーロキサバンの禁忌:1)出血患者(頭蓋内出血、消化管出血等の臨床的に重大な出血)、2)凝固障害を伴う肝疾患、3)中等度以上の肝障害(Chaild-Pugh分類B又はCに相当)、4)腎不全患者(クレアチニンクリアランスCCr15mL/min未満、5)妊婦又は妊娠可能性のある女性、6)HIVプロテアーゼ阻害剤投与中、7)アゾール系抗真菌剤投与中、8)急性細菌性心内膜炎患者。出血症状、出血性素因のある患者及び止血障害のある患者、3)臨床的に問題となる出血リスクのある器質的病変(6か月以内の出血性脳卒中を含む)の患者、4)脊椎・硬膜外カテーテルを留置している患者及び抜去後1時間以内の患者、5)P-糖タンパク質阻害剤の併用患者。

アピキサバンの禁忌:1) 臨床的に問題となる出血症状のある患者、2)血液凝固異常及び臨床的に重要な出血リスクを有する肝疾患患者、3)腎不全(CCr 15mL/min未満)の患者。

エドキサバンの禁忌(2014年7月現在):1)出血している患者(頭蓋内出血、後腹膜出血又は他の重要器官における出血等)、2)高度の腎機能障害(CCr 30mL/min未満)のある患者、3) 急性細菌性心内膜炎の患者。

【作用機序】
 3薬剤とも低分子化合物で、活性化第X因子の活性部位に特異的に競合結合し、遊離型FXaのみならずプロトロンビナーゼ複合体を構成するFXaにも活性阻害を示す。プロトロンビンからトロンビンへの変換速度を抑制し、トロンビン産生量を減少する。

【半減期・代謝経路】
 3剤のTmax、半減期、腎排泄率、生物学的利用率等の特徴について(表)にまとめた。

【ポイント】
 3剤の有用性と安全性については、第III相国際臨床試験が実施され公表されている(表)。リバーロキサバンでは、日本人向けの用量設定で日本人1280例に対して実施されたJ-ROCKET-AF試験がある。安全性主要項目累積事象発現率でワルファリンに対する非劣性が示された。とくに虚血性脳卒中発現が約半数になったことがポイントである。また、ARISTOTLE試験では、ワルファリンに対するアピキサバンの有効性と安全性ともに優位性が確認された。同様に、ENGAGE-AF試験でもワルファリンに対してエドキサバンは脳卒中発症比率を同等に抑え、重大な出血リスクをワルファリンに比べて20~53%低減できたことが明らかにされた。経口活性化凝固第X因子阻害薬は現在のところプロトロンビン時間(PT)(INR含む)や活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)は抗凝固能をモニタリングする指標とはならないとする見解である。

図表

表1.経口活性化凝固第X因子阻害薬の抗凝固薬の特徴(Ogawa S, et al: Circ J 75: 1539-1547, 2011改変引用)

表1.経口活性化凝固第X因子阻害薬の抗凝固薬の特徴(Ogawa S, et al: Circ J 75: 1539-1547, 2011改変引用)

参考文献

1) 小室一成:循環器内科医のためのXa阻害薬のすべて,メデイカルレビュー社,2012,105-140.

2) 新時代を迎えた抗凝固療法,Cardio-Coagulation 1(1):6-65,2014.

引用文献

1) Ogawa S, Koretsune Y, Yasaka M, Aizawa Y, Atarashi H, Inoue H, Kamakura S, Kumagai K, Mitamura H, Okumura K, Sugi K, Yamashita T: Antithrombotic therapy in atrial fibrillation: evaluation and positioning of new oral anticoagulant agents. Circ J 75: 1539–1547, 2011.

著者

北島 勲 (富山大学医学薬学研究部臨床分子病態検査学講座)

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