研究テーマを検索

用語集(詳細説明)

大分類:血小板

小分類:検査


VerifyNow®システム
VerifyNow® system

解説

【VerifyNow とは】
 VerifyNow システムはAccumetrics 社(2013年よりITC社に合併)により開発された、簡便かつ迅速に全血検体において血小板機能を測定できる装置である。欧米では臨床検査機器として承認されているが、わが国では未承認で研究用試薬として販売されている。

【測定法・測定原理】
 VerifyNowの測定は、3.2%クエン酸ナトリウム0.2ml入りの採血管(Greiner社製)に静脈血1.8mlを採取し、本体にカートリッジをセットし、そこへ転倒混和した採血管を挿入するという操作のみで完了する。測定は採血後30分から4時間の間に行う。
 カートリッジには、P2Y12アスピリンGPIIb/IIIaの3種類があり、ヒトフィブリノゲンでコーティングされたビーズとともにアデノシン二リン酸(ADP)、アラキドン酸やトロンビン活性化ペプチド(TRAP)などのアゴニストおよびプロスタグランジンE1(PGE1)が、4つのウェルに異なる組み合わせで入っている。採血管の挿入により自動的に全血がカートリッジ内に吸引され、血小板がアゴニストにより活性化されてビーズと凝集塊を形成すると濁度が変化するため、ウェルを通過した光の透過度から凝集を評価する。アスピリンでは約5分でaspirin reaction unit(ARU)が表示される。P2Y12では約2分でP2Y12reactionunit(PRU)が表示されるとともに、TRAPが含まれるウェルの光透過度(BASE)、PRUとBASEから算出される% inhibitionも表示される。

【特徴】
 VerifyNowの測定原理は光透過法であるが、全血とフィブリノゲンコーティングビーズを用いることと、ADPとともにPGE1を反応させることが特徴である。本法の測定結果は、光透過法の血小板凝集能と高い相関を示す。操作が極めて簡便で、施設間や検者間における測定法標準化の問題がなく、多施設共同研究に使用しやすい。結果が迅速に得られ、感染リスクが低いことも利点であるが、カートリッジが極めて高価という欠点がある。

【臨床的意義】
 VerifyNowにより評価した抗血小板療法下の残存血小板機能と臨床予後との関連は、主として欧米の冠動脈インターベンション(PCI)施行患者において検討されているが、本法の有用性は確立していない。薬理作用の個人差が注目されているP2Y12阻害薬では、PRU高値の患者群ではPCI後のステント血栓症、心血管イベントや死亡が高率であることや、低値の患者群では出血が多いことが示唆されているものの、カットオフ値は明らかではない。また、PRU高値の患者に対するクロピドグレルの増量やプラスグレルへの変更などの介入による予後の改善も示されていない。

図表

図 VerifyNow の測定原理(VerifyNow Pocket Reference Guide US – ITCから引用)

図 VerifyNow の測定原理(VerifyNow Pocket Reference Guide US – ITCから引用)

参考文献

1) 米田美穂子,清水太一:簡易抗血小板薬モニタリングシステム「VerifyNow」について,細胞 43: 82-83,2011.

引用文献

1) VerifyNow Pocket Reference Guide US – ITC, Accumetrics, Inc.(http://www.itcmed.com/uploads/literature/vn-pocketguide_us.pdf)

著者

山崎 昌子

関連用語