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用語集(詳細説明)

大分類:血小板

小分類:機能分子


非受容体型チロシンキナーゼ
non-receptor protein tyrosine kinase

解説

概要
 非受容体型チロシンキナーゼは細胞外からの刺激を直接受容せず、他の受容体やインテグリンと共役して機能する。血小板には複数の非受容体チロシンキナーゼが存在し、SFK(Src family kinase)、Syk、Btk/TecがITAMを有するGPVI/FcRγとFcγRIIA、hemITAMを持つCLEC-2インテグリンαIIb/β3などと共役し、JAK2がTPO受容体c-mplと共役する(図1A)。

ITAM-LAT signalosome(1図B)
1. 受容体の活性化によりSFKが活性化され、ITAMがリン酸化される。
2. リン酸化ITAMにはSykがリクルートされ、自己リン酸化やSFKによるリン酸化を受ける。
3. 活性化SykはアダプタータンパクのLATやSLP-76などをリン酸化しLAT signalosomeを形成する。
4. SignalosomeにはBtk/Tecがリクルートされ、同様にsignalosomeに結合したVav1/3やPLCγ2をリン酸化する。
5. 活性化したPLCγ2は2次メッセンジャーであるIP3とDADを産生し、血小板を活性化させる。

Non-ITAM signaling
 インテグリンαIIb/β3、GPIb/IX/V、c-mplはITAMを持たない受容体である。インテグリンαIIb/β3とGPIb/IX/VはITAM receptorと類似したSFK-Syk-SLP76-PLCγ2経路によって血小板を活性化する。TPO受容体c-mplはJAK2の活性化でリン酸化され、STAT3/5、PI3K/Akt、Ras/MAPK経路により造血幹細胞や巨核球の増殖・分化をもたらす。

図表

図1

図1

参考文献

1) 井上克枝,井上修,尾崎由基男,血栓止血学会誌 22 (6):348-362,2011.

引用文献

著者

田村 彰吾 (山梨大学医学工学総合研究部臨床検査医学講座)

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