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用語集(詳細説明)

大分類:血小板

小分類:機能分子


血小板第4因子
platelet factor 4

解説

【概要】
 血小板第4因子(PF4)は、CXC型のケモカインであり、CXCL4とも呼ばれている。PF4遺伝子の発現は、分化後期の巨核球において増加する。血小板のα顆粒中に存在しており、血小板の活性化にともない放出される。ヘパリンに結合する性質を持ち、血液凝固を促進する。一方、トロンボモジュリンと結合してプロテインCを活性化することにより抗凝固作用を発揮する局面もあるとされている。巨核球分化に対しては、抑制的に作用する。種々の成長因子に結合し、血管内皮細胞の増殖を阻害して血管新生を抑制する作用があることも知られている。

【分子量】
 70アミノ酸からなり、分子量は、7.8 kDaである。

【血中濃度】
 血漿中の濃度として、20 ng/ml以下が正常とされている。

【ノック・アウトマウスの表現形】
 PF4遺伝子欠損マウスの解析からは、PF4の機能抑制が生体にとって有利になる局面が多く報告されている。PF4遺伝子欠損マウスでは、虚血再還流時の組織障害が軽減され、高脂肪食による動脈硬化の発症が抑えられる。さらに、PF4が巨核球分化を抑制することを反映して、PF4遺伝子欠損マウスでは、放射線照射後の血小板の回復が促進される。

【病態との関わり】
 血漿中のPF4は、凝固亢進状態、血栓症、播種性血管内凝固症候群(DIC)などの病態で高値を示す。PF4とヘパリン複合体に対する抗体が産生されると、ヘパリン誘発性の血小板減少症がおこる。また、PF4はβトロンボグロブリン(βTG)とともに血小板特異的なタンパク質としてそのα顆粒に存在しており、血小板の活性化に伴い血液中に放出される。このことから、血漿中のPF4濃度、βTG濃度は、in vivoでの血小板活性化を示す検査値として利用されている。

図表

参考文献

1) Platelets, edited by Alan D Michelson, Academic Press.

2) Kowalska et al: Role of the platelet chemokine platelet factor 4 (PF4) in hemostasis and thrombosis. Thrombosis Research 125: 292-296, 2010.

引用文献

著者

本橋 ほづみ

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