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用語集(詳細説明)

大分類:血小板

小分類:機能分子


P2Y1受容体
P2Y1 receptor

解説

 P2Y1受容体は、1996年にクローニングされたアデノシン二リン酸(adenosine diphosphate; ADP)受容体である(分子量42.1 kDa)。ADP受容体としては、2001年にクローニングされたP2Y12受容体もあり、いずれも7回膜貫通型のGタンパク質共役型受容体(G-protein-coupled receptor; GPCR)である。P2Y1受容体は、Gqと共役しており、ホスフォリパーゼC(phospholipase C; PLC)を活性化し、細胞内カルシウムイオンの上昇、血小板の形態変化(shape change)や一過性の血小板凝集を惹起する(図)1)。また、イオンチャネル型受容体であるP2X1受容体(分子量45.0 kDa)は、リガンドであるアデノシン三リン酸(adenosine triphosphate; ATP)が結合することにより、細胞内Ca2+濃度を上昇させ、血小板の形態変化等を引き起こす(図)1)。P2Y1受容体アンタゴニストとしては、MRS2179、MRS2279、MRS2500があり、in vitro試験等で用いられる。P2Y1受容体ノックアウトマウスは、血小板凝集能の低下、出血時間の延長、血栓塞栓症誘発に抵抗性をしめす2)。2014年現在、ヒトにおけるP2Y1受容体欠損症の報告は認められていない。考えられる理由としては、P2Y1受容体欠損マウスの出血傾向があまり著明ではないことから、ヒトにおいても出血症状が少なく、発見され難い可能性が挙げられる3)

図表

血小板におけるプリン受容体シグナル

血小板におけるプリン受容体シグナル

参考文献

1) 池田康夫:血小板生物学,丸山征郎編,メディカルレビュー社,2004.

2) 富山佳昭:P2Y12受容体に関する遺伝子関連検査,血栓止血誌 23:450-456,2012.

引用文献

1) Kahner BN, Shankar H, Murugappan S, Prasad GL, Kunapuli SP: Nucleotide receptor signaling in platelets. J Thromb Haemost 4: 2317-2326, 2006.

2) The Jackson Laboratory「MGI」http://www.informatics.jax.org/marker/MGI:105049

3) 白鹿正通:ADP受容体異常症,血栓止血誌 16:207-211,2005.

著者

梅村 和夫 (浜松医科大学薬理学講座)

松本 祐直 (浜松医科大学薬理学講座)

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