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用語集(詳細説明)

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閉塞性動脈硬化症と抗血小板療法
anti platelet therapy for peripheral arterial disease

解説

 閉塞性動脈硬化症はatherosclerosis obliterans(慢性閉塞性動脈硬化症;ASO)と呼ばれていたが、最近では、peripheral artery disease(PAD)と呼ばれることが多い。動脈硬化を基盤に下肢動脈の閉塞・狭窄によって、労作時にふくらはぎの痛みなどを来たし、間歇性の跛行を呈する病態である。
診断は、ABIという下肢血圧(anckle)と上肢血圧(brachial)の比でスクリーニング可能である。ABI0.9未満を目安としている。観血的治療の適応や実際の治療を行うためには、CTや観血的な血管造影が必要である。

 この治療法の選択にはTASC IIという国際的な組織がまとめた指針に則っていることが多いが、そのfirst lineに抗血小板療法が位置づけされている。そこには、閉塞性動脈硬化症における抗血小板療法の目的は、脳梗塞や心筋梗塞等の心血管イベントの予防であると明記されている。閉塞性動脈硬化症症例ではすでに冠動脈や頸動脈等に動脈硬化を来していることが多く、その予防のためにアスピリンチエノピリジン系抗血小板薬が推奨される。

 閉塞性動脈硬化症では、血管が閉塞しても側副血行路が発達し、下肢の阻血壊死を来すことはほとんど無いが、もしそのような危険な状態に陥れば抗血栓療法を含めて個別の対応を要する。次に行うのが症状の緩和である。6分間歩行距離の延長等のエビデンスをもとに、TASC IIではcAMP分解酵素であるphosphodiesterase3阻害薬シロスタゾールや、セロトニン受容体拮抗薬ナフチドロフリル(本邦未承認)が血管拡張作用による症状緩和薬として推奨されている。シロスタゾールやセロトニン受容体拮抗薬(我が国ではサルポグレラートが使用可能)は抗血小板作用を有するが、TASC IIでの位置づけは、血管拡張・症状改善薬としてである。

図表

参考文献

引用文献

著者

堀内 久徳 (東北大学加齢医学研究所加齢制御研究部門基礎加齢研究分野)

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