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用語集(詳細説明)

大分類:血小板

小分類:薬剤


シロスタゾール
cilostazol

解説

6-[4-(1-cyclohexyl-1H-tetrazol-5-yl)-butoxy-]3,4-dihydro-2(1H)-quinolinone

適 応
 慢性動脈閉塞症に基づく潰瘍,疼痛及び冷感等の虚血性諸症状の改善.脳梗塞(心原性脳塞栓症を除く)発症後の再発抑制.

副作用
 うっ血性心不全,心筋梗塞,狭心症,心室頻拍,頭蓋内出血,肺出血,消化管出血,鼻出血,眼底出血,胃十二指腸潰瘍,汎血球減少症,無顆粒球症,血小板減少症,間質性肺炎,肝機能障害,黄疸,急性腎不全

禁 忌
 出血している患者,鬱血性心不全患者,本剤の成分に過敏症のある患者,妊婦または妊娠している可能性のある婦人

作用機序
 cAMPの分解酵素であるPDEの活性阻害によるcAMP濃度の上昇を介した作用である.シロスタゾールはPDE isozymeの特にPDE3を特異的に阻害する.血小板内に存在するPDE isozymeはPDE3,5,と微量のPDE2である.PDE5はcGMPを特異的に分解する酵素であるため,シロスタゾール投与によるPDE3阻害で血小板のcAMP分解は強力に阻害される.PDE3は他に心筋,血管平滑筋に存在する.シロスタゾールによる血管拡張,心悸亢進はこの影響と考えられる.

半減期・代謝経路
 肝代謝,腎・胆汁排泄の薬剤である.
 経口投与後,3-4時間で血中濃度がピークに達する.消失は二相性であり,α相半減期が2.2時間,β相が18時間である.

その他のポイント・お役立ち情報
 薬剤服用を中止するとその効果は48時間で殆ど消失する.血小板凝集抑制,血管拡張作用と共に血管平滑筋増殖抑制作用を持つ.血小板凝集抑制効果は可逆的である.
 大規模臨床試験CREST(the Cilostazol for Restenosis Trial)では経皮的冠動脈ステント術後の再狭窄予防に有効であることが報告されている.また,脳梗塞の二次予防に対するプラセボ比較試験(CSPS study)で再発予防に有効であることが報告されている.さらにCSPS2 studyではその予防効果がアスピリンと比しても劣らないことが報告された.

図表

図 シロスタゾール

図 シロスタゾール

参考文献

1) ホスホジエステラーゼ阻害薬,血栓と循環 6(4):305-309,1998.

2) 抗血小板剤シロスタゾールの研究開発,薬学雑誌 120(12):1247-1260,2000.

3) 抗血小板薬の種類と作用機序,分子脳血管病 1(4) : 383-391,2002.

4) アスピリン,抗血小板薬.綜合臨床 53(9):2509-2513,2004.

引用文献

著者

坂田 飛鳥

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